テキサスホールデム(ポーカーの一種)は、世界で最も人気のあるゲームで、世界でのプレイ人口は1億人※を超えるほどです。
また、日本国内においてもポーカーブームが訪れていて、芸能人やYouTuberなどもポーカーの発信をはじめているなど、今まさに盛り上がっているゲームなのです。
ですが、初心者の方にとってはそのルールや専門用語がはじめは複雑に思えるかもしれません。
そこで本記事では、テキサスホールデムの基本ルールや用語、ゲームを理解し上達するためのポイントなどを、総合的に解説します。
テキサスホールデムの世界に一歩足を踏み入れるために必要な情報を習得しましょう。
※2021年セガサミーホールディングス調べ
テキサスホールデム(ポーカー)のルールと役
テキサスホールデム(ポーカー)は、世界でも国内でも非常に人気のあるトランプゲームですが、ルールや用語が初心者にとっては理解しづらい部分もあるでしょう。
ここではまず、テキサスホールデムについての基本や役、ルール、流れについて解説します。
基本的なルールや遊び方、そしてテキサスホールデムについて理解することで、ゲームを楽しめるようになるはずです。
・テキサスホールデムとは
ポーカーは、1800年代から今だに続いているほどの歴史のあるゲームですが、テキサスホールデムは、多くの人々に愛されるポーカーの一種であり、その人気の秘密は多岐にわたります。
その魅力は、運と実力のバランスがよく取れている熟練されたゲーム性です。
ゲーム中プレイヤーは、自らの手札と共通のカードを駆使して、最強の役を作り出すことを目指します。一枚のカードが勝敗を左右する緊張感と、相手の様子を伺う心理戦が、プレイヤーを引き込んでやまないのでしょう。
また、運の要素やビギナーズラックもあり初心者でも楽しめる一方で、ある程度レベルが上がると実力や経験が勝敗に大きく影響を及ぼすスキルゲームになっていくのも面白いところです。
多彩な戦略や読み合いがあり、玄人になっても楽しめる奥深さがあるのが魅力なのです。
そして、テキサスホールデムは世界中でも国内においても大規模なトーナメントが開催されるほどに競技としても熱く、今ものすごく注目されているゲームということも昨今広がりをみせています。
詳しくはこちら
→ポーカー(テキサスホールデム)店経営者が語る「ポーカーの魅力と思い描く未来」
・ポーカーの役一覧と役の強さ
ポーカーやテキサスホールデムには、役という勝敗を決める強さがあり、この役を理解しないことにはゲームができません。
決して難しくはないので、まずはここから覚えていきましょう。
☑︎ポーカーの役一覧(上から強い役順で並んでいます)
☑︎スート(スーツ)とは、スペード・ハート・ダイヤ・クローバーといったマークのこと
役名 | 出る確率 |
ロイヤルストレートフラッシュ | 0.0032% |
ストレートフラッシュ | 0.027% |
フォーカード | 0.016% |
フルハウス | 2.6% |
フラッシュ | 3.2% |
ストレート | 4.6% |
スリーカード | 4.8% |
ツーペア | 23.5% |
ワンペア | 43.8% |
ハイカード | – |
☑︎強いカード→弱いカード
強⇨A-K-Q-L-10-9-8-7-6-5-4-3-2⇨弱い
カードの数字にも強弱があり、上記が強いカードの順番で、同じ役の場合はカード自体の強さで勝敗を決めます。
・基本的なルールと流れ
テキサスホールデムの基本的なルールと流れ、そして遊び方を初心者向けにわかりやすく説明します。
(専門用語は次項にて記載しています)
①ゲームの始め方
ゲームは2人〜10人からプレイでき、各プレイヤーはディーラーボタンを回しながら順番にディーラー役を担当します。ゲームが始まる前に、各プレイヤーが賭ける金額をブラインドと呼ばれる形で支払います。
(ディーラーボタンの左隣の人からカードを配り、アクションをしていきます)
②プリフロップ(カードの配布、1ターン目)
各プレイヤーに2枚のカードが伏せて配られ、この2枚のカードを見た後に、プレイヤーは賭けるかパスするかを決めます。
③フロップ(2ターン目)
3枚の共通カードが表向きにテーブルの中央に置かれます。これをフロップと呼び、フロップが出た後、再びプレイヤーは賭けるか、パスするかを決めます。
④ターン(3ターン目)
フロップの後、さらに1枚の共通カードがテーブルの中央に追加されます。これをターンと呼び、ターンが出た後も、プレイヤーは賭けるかパスするかを選択します。
⑤リバー(4ターン目)
ターンの後、最後の1枚の共通カードがテーブルの中央に追加されます。これをリバーと呼び、リバーが出た後も、プレイヤーは賭けるか、パスするかを決めます。
⑥ショーダウン(最終段階)
最後のラウンドの賭けが終了したら、残っているプレイヤーが手札を表にし、最も強い役を持つプレイヤーが勝者となります。(プレイヤーが同じ役を持っている場合は、役の中で最も高いカードを持っているプレイヤーが勝利します)
⑦ チップの獲得
ショーダウン後、最も強い役を持つプレイヤーが、テーブルにある全てのチップを獲得します。
以上がテキサスホールデムの基本的な流れと遊び方です。
プレイヤーは「自分の手札」と「共通のカード」を組み合わせて最強の役を作り、他のプレイヤーよりも優れた手を持っていることを目指します。
初めてプレイする場合まずは、アプリのゲームなどで感覚的にルールや流れを理解することを推奨します。
ポーカーのゲームアプリには、エムホールデムやポーカーチェイス、サンビ・ポーカーなどがあり、そちらで経験を積むといいでしょう。
テキサスホールデム(ポーカー)の基本用語
テキサスホールデム(ポーカー)を楽しむ上で、基本的な用語を理解することも不可欠です。
ゲーム中は専門用語が飛び交い、初心者にとってはこれらの言葉がややこしく感じるかもしれません。
ここでは、テキサスホールデムにおける基本用語を解説します。
下記表を参考にしてください。
〈アクション〉 | プレイヤーのすること |
・オールイン(All-In) | 持っている全てのチップを賭けること |
・コール(Call) | 相手が賭けた同額を賭けてゲームに残ること |
・チェック(Check) | 賭けず(ベッドせず)に様子を見ること |
・ベット(Bet) | 各ラウンドで、最初に賭け金を示すこと |
・レイズ(Raise) | 他のプレイヤーの賭けに上乗せして賭けること |
・フォールド(Fold) | 手札を捨ててゲームを降りること |
〈ルール〉 | ゲームで定められた条件など |
・ディーラーボタン(Dealer Botton) | ディーラーの位置を示すボタンで、このボタンの左隣の人からカードを配る |
・ブラインド(Blind) | 最初に強制的に賭ける金額 |
・スモールブラインド(Small Blind) | ディーラーのボタンの次の人の最初の小さい強制賭け金 |
・ビッグブラインド(Big Blind) | スモールブラインドの次の人の強制賭け金(前の人よりも多い賭け金) |
〈シチュエーション〉 | ゲームの段階や、各ターン |
・プリフロップ(Pre-Flop) | 共通のカードが配られる前の最初の段階 |
・フロップ(Flop) | 3枚の共通のカードが表にされる段階 |
・ターン(Turn) | 4枚目の共通のカードが表にされる段階 |
・リバー(River) | 5枚目の共通のカードが表にされる段階 |
・ショーダウン(Show Down) | 手札を見せて、勝敗を決定する最後の段階 |
テキサスホールデム(ポーカー)上達のポイント
テキサスホールデムを上達させるためには、単なる運や勘だけではなく、戦略や知識も重要です。
テキサスホールデムでは、正しい判断や状況に応じた適切な行動、定石の理解が勝利への鍵となります。
ここでは、上達のためにまずは理解しておくべきポイントを解説していきます。
・各ポジションの特性を理解する
テキサスホールデムにおいて、ポジション(順番)に応じた特性を理解することは、勝つための重要な要素です。
なぜなら、ポジションによって勝率が変わり勝敗に大きな影響を与えるからです。(ゲームごとにこの順番は変わっていきます)
たとえば、ポジションが後半であるほど、他のプレイヤーの行動を見ながら自分の手を決めることができるため、心理戦や情報戦という意味で有利になります。
特に最後に行動するディーラーボタンというポジションは、相手の手を推測しやすく、最も有利なポジションになります。
一方で、前半のポジションの場合は判断する情報材料が少ないため、強い手札がない場合は慎重なプレイが求められます。
つまり、ポジションは相手の心理や情報を読み取るために重要で、勝利に大きく関係するというわけです。
では、6人でプレイしていることを想定して下記にまとめていきます。
前半ポジション(はじめの2人=SB, BB) | 他のプレイヤーの動きを見ることができず最も不利なため、「強い手札でのプレイ」が推奨されています。 |
中盤のポジション(3人目と4人目) | 良い側面も悪い側面もあります。前半のポジションよりも様子を伺えるが、後半のポジションの出方に振り回されることもあり、勝率もそこまで高くないため、「冒険をせずに手堅いプレイ」をするのが定石です。 |
後半のポジション(5人目とディーラーポジション) | 他のプレイヤーの動きが見れるため情報も多い分勝率が高く、ブラフ(ハッタリ)などをしたり「戦略的な、幅広いプレイ」ができます。 |
このように、各ポジションには特性と戦略がありますが、ディーラーボタンが最も有利なポジションであることをまずは覚えておくと良いでしょう。
・ブラフの正しいタイミング
ブラフはテキサスホールデムにおいて重要な戦術の一つで、相手を欺き、弱い手を持っているように見せかけて、実際には強い手を持っているかのように振る舞うことで相手を誘導します。
ブラフの目的は相手を誤解させ、「相手をフォールド(ゲームから降りる)させること」や、「相手の賭け額を増やし自分の利益を最大化すること」です。
ただし、ブラフはタイミングが重要で、手札の強さや相手の行動を見極めて行う必要があります。
☑︎ブラフをする主なシチュエーション
・狙っている役が揃いそうな時 (演技しやすいため)
・人数が少ない時 (役が成立している人がいる確率が低いため)
・自分が強いカードを持っていて、相手が弱いカードを持っていそうな時
・あまりブラフをしないと思われている時
・フロップ後の共通カードが低い数字の時(相手の手札を読みつつ) など
ブラフを頻繁に行うと予測されやすくなるため、バランスを保つことも重要で、ブラフはリスクの高い戦術であるため、やりすぎないのもポイントです。
・手札によっての定石を知る
テキサスホールデムにおいては、はじめの手札とそれに応じた選択が勝敗を左右します。
テキサスホールデムには169通りの異なるカードの組み合わせがある中で、プリフロップ(最初のラウンド)では手元の2枚のカードだけでアクションを起こさなければなりません。
また、ポジションによっても適切なアクションが異なります。たとえば、先述している前半のポジションではかなり強い手札(QQ〜AA)でのレイズが効果的とされていますが、後半のポジションでは幅広い手札でのプレイができます。
まず初心者の場合は、強い手札※を覚え、下記表の紺、赤、黄、緑色の強い手札かポケットペア(手元に2枚のカードがすでにペアになっている状態)を意識してプレイすることが重要です。
引用:ヨコサワポーカーチャンネル
s:スーテッドの略で、同じ絵柄の2枚
o:オフスーテッドの略で、異なる絵柄の2枚
(例:AQsの場合、AとQが同じ絵柄)
もしさらに詳しく学びたい方は、初心者向けに定石や戦略を分かりやすく解説した書籍『フィル・ゴードンのポーカー攻略法 入門編』をおすすめします。特に、ポーカー初心者にとっては戦略の基礎を学べる一冊です。
まとめ
テキサスホールデムはポーカーの中でも世界的に人気のゲームですが、まずは基本的なルールや用語を理解することが必要になります。
ゲームでは手札と共通のカードを組み合わせて役を作り、最も強い役を持つプレイヤーが勝者となります。役の強さはロイヤルフラッシュからハイカードまで様々で、手札と共通のカードから最終的に相手より強い役になっていることが目標です。
また、テキサスホールデムには様々な用語があります。たとえば、オールイン、コール、チェック、ベット、レイズ、フォールドなどは特に理解しておくべきでしょう。他にも、ディーラーボタンの位置やブラインドやポジションなどもゲームの流れに影響を与えます。
そして上達するためには、各ポジションの特性を理解することやブラフのタイミングを見極めること、手札の強いパターンや定石を知ることなどがポイントです。ポジションによって戦略を変え、有利な立場を保つことが勝利への鍵となります。
はじめは難しく感じるかもしれませんが、運と実力の両面が勝敗に関連するので、素人から玄人まで楽しめるのが魅力。その一方で、上達していくスキル的な要素がたくさんあるのも、テキサスホールデムの奥深さなのです。
執筆者:武藤 匡平 監修者:中小企業診断士 居戸 和由貴