前回の記事で営業力向上のために、3つのポイントについて挙げさせて頂きました。今回はその中の一つ、営業ターゲットの明確化について紹介していきます。ターゲット先を挙げる重要性と優先順位ポイントについて解説していきます。
営業ターゲット先の選定
ターゲット選定をするのなんか当たり前でしょ?と皆さん思いますよね。そうです、当たり前のことなんです。マーケティング戦略はどの企業も行っているはずです。ではどんな基準で挙げてますか?優先順位は?進捗管理は?となると実は何となく決めてそのまま………なんてことありませんか。私も営業マン時代にターゲット顧客の報告をするときに詰められる(報告を求められ続けられる)ことは良くありました。
それでも半年後には、気づいたらなし崩しになり、会社も追ってこなくなります(いいのかわるいのか笑)。戦略を立案しターゲットを挙げて、営業活動を実行する。しかし、継続した営業活動、ストーリー性を維持する進捗管理等を実行しなければ売上獲得はできません。また、そもそもなぜその顧客をターゲット先に挙げたのか、明確な基準を設けていないと結果的に管理不能になり、計画もなし崩しになってしまいます。
ここではターゲット選定の重要性とその基準や優先順位についてご紹介していきます。ルール通りにターゲットを選定し、継続的にアプローチしていくことで顧客との良好な関係が構築され、売上獲得に繋がります。また管理者の場合は、部下の進捗管理をルール通りに行うことで、適切なアドバイスが可能になり、部下のモチベーションアップに繋がります。
プロジェクトの優先順位
まずターゲット選定をする前に優先順位を明確にしましょう。例えば、新製品プロジェクト開始!という時に「半年で1億円、1年で2億円販売する。3ヵ月で新規導入3件、半年で5件の導入」等、目標を決めます。それに応じて担当部署や担当者ごとに目標数字や件数が割り振られて「何を」「いつまでに」を明確にします。これが曖昧だとゴールが見えず、計画の意味がありません。
また「売上なの?利益なの?とにかく今月中って急だな?」と優先順位がわからないと個々の意思決定にばらつきが出てしまいます。よくありがちなのですが、計画を立てることが仕事になってしまうケースです。特に若手社員は、合理的な考えを持つ人が多いため、非効率な業務に疑問を持ち、モチベーションの低下となってしまいます。
したがって、いつまでに結果を出すのか、市場分析や顧客の生の声などのニーズを収集し、プロジェクトの方向性を明確にすることが重要になります。
スケジュール作成
ターゲットを選定しましたら、行動するスケジュールを作成していきます。プロジェクトの方向性に沿ったスケジュールが組まれているか、上司が進捗管理していきます。例えば、ターゲットに挙げたA社。訪問スケジュールを立てていない時、上司は従業員に確認します。すると、アポがとりづらく後回しにしているとの事でした。その際は上司が率先してサポートし、スケジュールの遂行を後押します。
従業員は日々の業務に追われるためスケジュール立てが煩雑になることがあります。そんな時は管理者がアドバイスをし、営業同行でコミュニケーションを図る等、プロジェクトの成功に向けてサポートすると良いでしょう。「なんでちゃんとスケジュールを組まないんだ」と指導すると、従業員はやらされ仕事になってしまうので注意しましょう。
慣れてくると自発的に予定を組み、訪問し、顧客との関係も良いものとなり、売上アップに繋がりますし、社員の成長にも繋がります。このように、スケジュールを作成することでターゲット先への活動漏れを防止し、社員一丸となって取り組みようになります。
まとめ
今回の記事では営業ターゲットの明確化についてご紹介しました。ターゲット選定の方向性を打ち出し、営業活動を継続的に行う仕組みを構築することで、売上拡大に繋がります。上司と部下がそれぞれの役割を果たすことで会社により良い影響がもたらされます。またコミュニケーションも増えるため、社内の雰囲気にも好影響をもたらすと考えられます。「やるべきこと」を明確にし、営業活動を一歩ずつ進めるとこが重要です
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執筆者:中小企業診断士 小泉孝之