Slerの営業で「事業再構築補助金」を提案するメリットとは?制度の重要なポイントや注意点も解説

Slerの営業成果を高める方法の1つに、事業再構築補助金の活用があります。事業再構築補助金を活用することで、顧客企業は補助金分の自己投資を控えることが可能になります。結果的に、営業担当者の提案が通りやすくなり自社の収益アップを見込めるのです。

この記事では、事業再構築補助金の意味や目的を解説したうえで、Slerの営業に事業再構築補助金を活用する2つのメリットについて解説します。事業再構築補助金の対象者や補助金額などの重要なポイントも解説しますので、営業担当者やセールスマネージャーの方はぜひご覧ください。

目次

事業再構築補助金は、中小企業の事業再建を支援する公的な制度です。経済産業省が主体となり、中小企業の事業再建にかかる費用の一部を補助することで、日本経済の構造転換を促しています。

”ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い

切った事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的とします。”

引用:経済産業省 中小企業庁|事業再構築補助金の概要(中小企業等事業再構築促進事業)12.0版 1.事業目的、申請要件

事業再構築補助金は、経費削減を掲げる多くの企業から注目されている制度です。令和5年10月6日に締切をむかえた第11回公募では、9,207件もの企業や個人事業主から応募がありました(うち2,437件が採択)。

参照:事業再構築補助金 採択結果

日本経済の構造転換を促すために、日本政府は事業再構築補助金に大規模な予算を計上しています。令和2年度3次補正予算では1兆1,485億円を計上しました。令和4年度2次補正予算では5,800億円を確保して、中小企業の成長分野への進出や賃上げ等を支援しています。

参照:中小企業庁|中小企業等事業再構築促進事業について 1.中小企業等事業再構築促進事業の概要

事業再構築補助金は、事業再建にかかる多額の予算を補助する制度です。中小企業は、事業再構築補助金を活用することで費用負担を抑えながら抜本的な事業再建に取り組めます。
情報通信業の分野においても、全国の中小企業が事業再構築補助金を活用しています。

参照:事業再構築補助金 採択結果 情報通信業

一般的なSlerの営業では、顧客の悩みや課題の解決方法として、システムの開発や運用サービスを提案することが多いでしょう。一方で、顧客企業が大規模な事業転換や新規事業展開を検討している場合は、事業再構築補助金の提案が効果的です。

例えば、以下のようなケースが考えられます。

  • 主力事業から異なる新規事業への進出を目指しているが、十分な予算を確保できないケース
  • 製品やサービスの製造方法を抜本的に変更したいが、設備投資への資金が不足しているケース
  • 新分野への進出や業種転換を検討しているが、予算に問題があるケース

一般的に企業が事業再建を行う場合、多額の予算をどこから捻出するのかが問題となります。そこで、営業担当者が事業再構築補助金をセットで提案することで、顧客企業の経費負担を軽減して、事業再建を後押しするのです。

事業再構築補助金における「事業再構築の定義」がこちらです。

  • 新たな製品やサービスを新たな市場に展開する(新分野への展開)
  • 主な事業を転換する(事業転換)
  • 主な業種を転換する(業種転換)
  • 製品等の製造方法等を相当程度変更する(業態転換)
  • 事業再編を通じて新分野展開、事業転換、業種転換または業態転換のいずれかを行う

参照:経済産業省|事業再構築指針の手引き(2.1版)

では、Slerの営業で事業再構築補助金を提案すると、営業側の企業はどのようなメリットを得られるのでしょうか。2つのメリットを解説します。

顧客の事業再建をサポートして新たな営業機会を創出できる

1つ目のメリットは、顧客企業の事業再建をサポートして新たな営業機会を生み出せる点です。

事業再構築補助金によって、顧客は事業再建にかかる経費の一部を補助金でまかなえるようになります。事業再構築補助金の種類によっては、1億円を超える補助金を受け取れるため、事業再建にかかる経営負担を軽減できるのです。

参照:経済産業省 中小企業庁|事業再構築補助金 第12回公募の概要 1.1版 1-2 第12回公募の全体像

また、事業再構築補助金は、原則として返済の必要がない補助金です。自己負担額を超える利益が生じた場合は、収益納付※を行う必要はありますが、自己負担額内の利益に関しては返済の必要がありません。

※補助金の交付を受けて行う事業の結果により収益が生じた場合、補助金交付額を限度として収益金の一部または全部を国庫へ返納すること

参照:全国商工会連合会|令和2年度第3次補正予算小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>

企業が事業再建に取り組む場合、事業を根本から見直し収益改善につなげるために大胆な変革を必要とします。そのため、多額の予算が発生するケースが少なくありません。

そこで、営業担当者が補助金を提案することで、顧客の経費負担を減らし事業再建を後押しできるわけです。さらに、事業再建の過程で、新製品・新サービスの開発、ITシステムの刷新といった営業機会の創出も期待できます。

信頼関係を構築して継続的な取引が可能になる

事業再構築補助金を提案する2つ目のメリットは、顧客との信頼関係を深め継続的な取引が可能になる点です。

「貴社は、事業再構築補助金を受け取れる可能性がある」と、補助金の存在を顧客に伝えることで顧客の利益アップにつながる有益な情報を提供できます。

さらに、自社にリソースがある場合は、補助金の申請から受領までを支援することで顧客との関係性をより強化できるでしょう。

事業再構築補助金を営業に取り入れることで、システムの開発・運用だけでなく、顧客の事業再建という課題に寄り添うことができます。顧客にとっての有益な取引先として、今後も継続的に取引していけるでしょう。

Slerの営業で事業再構築補助金を提案する際のポイントは以下の2点です。

  • はじめに、顧客の経営課題や悩みを把握して、課題解決につながるシステムを提案する
  • 提案するシステムに多額の投資が見込まれる場合、投資コストを抑える手段として、「事業再構築補助金の活用」を提案する

顧客企業の現状把握からスタートして、顧客の業務プロセスや現行システムの環境、目下の経営課題などを把握。丁寧にヒアリングして改善の余地がないか探ることで顧客との信頼関係を構築します。

次に、顧客の悩みを解決するために適切なシステムの開発・運用を提案。例えば、業務効率化に向けたシステムの刷新、BCP対策強化に向けたクラウド移行、新規事業支援のためのシステム開発などが考えられます。

そして、課題解決に役立つシステムの投資費用を顧客に明示して、多額の費用が見込まれる際に、投資コストを抑える手段として事業再構築補助金の活用を提案するのです。自社にリソースがあれば、補助金申請に必要な計画書の作成や申請のサポートなどを提案に含めてもよいでしょう。

課題解決のシステムソリューションと補助金活用による投資コスト軽減策をセットで提案することで、顧客は自社の経営課題解決と投資負担軽減の両立が図れます。

その結果、Sler企業の提案に説得力が生まれるため、営業活動の成果を高められるのです。

事業再構築補助金を提案する際は、顧客に正確な情報を伝えるよう注意しましょう。情報に間違いがあると、顧客の信頼を損ねるおそれもあります。ただし、営業部門や営業担当者が正確な情報を身につけるのは大変な作業です。顧客に提案する前に、専門家に協力を仰ぎ万全の準備を整えることをおすすめします。

注意すべき主なポイントは、以下の通りです。

  • 事業再構築補助金の申請は必ず事業者自身が行うこと
  • 異なる内容の事業を申請する場合、同じ事業者が異なる補助金を受け取れる
  • 同一事業で、国の補助金を複数回受け取ることはできない
  • 原則として、同じ補助金を複数回受給できない
  • 補助金の交付は事業開始後となる

事業再構築補助金は、経済社会の変化に対応して申請枠等が変化します。そのため、今後申請枠の追加や変更が起こる可能性があります。

営業担当者は顧客に提案する前に、最新の公募要領をよく確認し、申請枠や受給条件、その他の細かな点を把握しましょう。

なお、令和6年4月に公募が開始された第12回公募では、「事前着手制度」が原則廃止となり、交付決定前に事業を開始すると補助の対象外となりました。営業担当者は、このような制度の変更点にも注意する必要があります。

参照:事業再構築補助金リーフレット

事業再構築補助金をSlerの営業に活用することで、従来の営業手法とは違う取り組みが可能になります。

自社のシステム・ソフトウェアを提案するだけにとどまらず、顧客の事業再建という課題に寄り添った提案をすることで、同業他社との差別化を図りましょう。

ただし、顧客の信頼を獲得するためには、営業担当者一人ひとりが補助金に関する正確な知識を身につける必要があります。

もしも「補助金を提案したいが、正しい情報がわからない」「リソースが足りない」といった課題があれば、ぜひハッシュタグまでご相談ください。

ハッシュタグは、マーケティングやテクノロジー分野で培ってきた実績や実践経験を生かし、中小企業の皆さまの中長期的な売上拡大を支援いたします。事業再構築補助金の申請においても、単に申請業務をサポートするだけでなく、お客さまの課題や悩みを二人三脚で解決できるよう親身なコミュニケーションで支援させていただきます。

無料でのご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

執筆者:千葉 拓未

監修者:Harmonic Society株式会社 代表取締役兼CEO 師田 賢人、中小企業診断士 居戸 和由貴

よかったらシェアお願いします!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

【中小企業診断士】
生命保険会社、人材会社、戦略コンサルタント会社での経験を経て、2021年に中小企業診断士として独立。強みであるマーケティングとテクノロジーを軸に、中小企業の売上拡大を目的として活動

目次