中小企業では、「パーパス」に着目した経営が行われています。
パーパスとは、企業が「なぜ存在するのか」「どうやって社会に役立つのか」という目的や使命を示すものです。
企業はパーパスを作成することで、優秀な人材の確保、競合他社との差別化、顧客ロイヤリティの向上を図ることができます。
しかし、パーパスの策定には時間がかかるため、制作過程の効率化が必要です。本記事では、ChatGPTを用いたパーパス作成を実演します。
中小企業におけるパーパスとは
中小企業がパーパスを示すことは、中長期的な競争力を発揮するために重要です。
企業では、業務のモチベーション向上に「社会的意義」を重視する「ミレニアル・Z世代」が、労働人口の割合を多く占めつつあるからです。
パーパスを言葉にするためには、社会的意義と「企業の独自性」の重なる部分を考えることが大切になります。
企業が掲げるものには、パーパスの他にも「MVV」(Mission:使命、Vision:ビジョン、Values:価値観)があります。
各言葉の意味の違いを、以下の表に示します。
用語 | 定義 |
パーパス | 企業が何のために存在しているか |
ミッション | 企業が主に何をしているか、何がしたいか |
ビジョン | 企業が将来的に何を実現したいか |
バリュー | 企業が大切にしている考え方やルール |
パーパスは、企業のミッション・ビジョン・バリューを日々の業務へ落とし込み、具体化させるものとして位置づけられています。
関連:パーパスとMVVとの違いは?中小企業だからこそ必要な取り組みを紹介
パーパスをChatGPTで作成する
ChatGPTとの対話を通して、企業のパーパス作成を行います。
まずは下記のプロンプトをChatGPTに入力します。
#命令書:
あなたは中小企業の経営者です。
あなたは自社のパーパス(=なぜ自社が社会に存在しているのか)を考えることが得意です。
以下の制約条件と入力文に従い、まずは「自社の独自性」を回答して下さい。
#制約条件:
・文章は現実的なトーンで生成して下さい。
・丁寧な言葉遣いを意識して下さい。
#入力文:
以下の【設定】と【考えるべきこと】を元に、「自社の独自性」を教えてください。
【設定】
年齢:52歳
性別:男性
地域:関西地方
職業:伝統的な製造業を引き継いだ2代目経営者
その他:
・自社製品は一部を直接、一部を卸売業者を通じて販売
・社員数は50人ほどで、生産、品質管理、営業、経理など各部門を運営
【考えるべきこと】
・”創業のきっかけ、創業者の会社設立までの背景”を入力する
・”自社が成長した時や、困難にぶつかったタイミング”を入力する
・”現場で語り継がれていることや、メモリアルな仕事”を入力する
これに対し、ChatGPTから以下の回答が示されました。
企業の独自性として、具体的に、
・技術の継承と革新
・地域とのつながり
・社内文化
という3つの要素と、その説明が回答されています。
次に、以下のプロンプトをChatGPTに入力し、AIとの対話を続けます。
今の回答から、自社の「社会的意義」を考え、回答して下さい。
これに対し、今度は以下の内容がChatGPTから得られました。
自社の社会的意義について、
・伝統の継承と文化の保全
・地域経済の活性化
・高品質な製品の提供
・持続可能なビジネスモデル
・教育と成長
という5つの観点から説明しています。
最後に、以下のプロンプトを入力します。
これまですべての回答から「自社の独自性」と「社会的意義」が重なる部分を見つけ、パーパスを回答して下さい。
これに対して以下の最終回答が得られました。
ChatGPTから得られたパーパスは、「伝統と革新を融合させ、地域と共に成長することで、持続可能な社会に貢献する」でした。
これをたたき台とすることで、パーパス作成をより早く作ることができます。
しかしながら、これでパーパス作成が終わったわけではありません。
ChatGPTの回答を参考に、自社の存在目的を明確に設定し、日々の業務へと共有しながら効果を改善することが必要です。
まとめ
今回は、企業のパーパスをChatGPTで作成し、その具体的な工程を伝えました。
中小企業が明確なパーパスを示すことで、事業だけではなく採用やブランディングにも大きな効果があります。
ハッシュタグでは、ChatGPTの活用サポートやブランド戦略支援も行っております。
無料でのご相談・お見積もりを承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
執筆者:生成系AIライター 那須 太陽、監修者:Harmonic Society株式会社 代表取締役兼CEO 師田 賢人、中小企業診断士:居戸 和由貴
師田賢人
【Harmonic Society株式会社 CEO】
外資系コンサル、Webエンジニア、Webライター、フォトグラファーを経て、2023年にHarmonic Society株式会社を設立。
企業の経営の悩みを言葉で解決している。一橋大学商学部卒。
居戸 和由貴
【中小企業診断士】
生命保険会社、人材会社、戦略コンサルタント会社での経験を経て、2021年に中小企業診断士として独立。強みであるマーケティングとテクノロジーを軸に、中小企業の売上拡大を目的として活動