アフターコロナを見据え、中小企業においても、ウェブを用いた情報発信力・認知訴求力・集客力を高めることが求められています。
しかし、中小企業の皆様は人手不足や時間の制約があるため、効率的にSEO対策を行いたいと考えることでしょう。 そこで、この記事では、キーワード調査に「ラッコキーワード」というツールを活用し、記事構成の作成にはAI技術を用いた「ChatGPT」を導入することで、ライター不要で手軽にSEOライティングを半自動化する方法をご紹介いたします。
SEOライティングとは
SEOライティングとは、検索エンジン最適化(SEO)を意識した文章を書くことで、検索エンジンでの上位表示を目指すための手法です。
そのため、以下のポイントに注意して記事を作成することが重要です。
キーワードの選定
検索ユーザーが求めるキーワードを適切に選び、自然に文章に組み込むことが求められます。ただし、過度なキーワードの繰り返しは逆に評価が下がるため、バランスが大切です。
読みやすさ
検索ユーザーが求める情報をわかりやすく提供することが重要です。見出しや段落を活用し、情報を整理して伝えることで、ユーザーが求める情報にたどり着きやすくなります。
信頼性
記事の内容が正確で信頼性があることが求められます。信頼性のある情報を提供することで、ユーザーにとって価値のあるコンテンツとなり、検索エンジンからも評価されやすくなります。出典や引用を明記し、信頼性を高めましょう。
内容の充実度
ユーザーが求める情報を網羅的に提供することが大切です。関連する情報や、ユーザーが次に知りたいであろう内容も盛り込むことで、記事の価値を高めることができます。
ユーザーエンゲージメント
ユーザーが記事を読んで、感情や行動に訴える内容が求められます。具体的な事例や、話題性のあるトピックを取り入れることで、ユーザーの興味を引きつけ、エンゲージメントを高めることができます。
これらのポイントを踏まえた上で、次の章では、ラッコキーワードを使ったキーワード調査の方法を解説いたします。
ラッコキーワードを使ったキーワード調査の方法
最初に行うべきことは適切なキーワードの選定です。
ここで紹介する「ラッコキーワード」を使用することで、効率的かつ簡単にキーワード調査ができます。
※キーワードの検索ボリュームや競合状況を調べることができるオンラインツール
それでは、ラッコキーワードを使ったキーワード調査の手順を見ていきましょう。
ラッコキーワードの登録・ログイン
ラッコキーワードの公式サイトにアクセスし、アカウントを登録・ログインします。無料プランも用意されていますが、有料プランを利用することでより多くの機能を活用することができます。
調査したいキーワードの入力
ログイン後、調査したいキーワードを入力し、「検索」ボタンを押します。
たとえば、自社が家具販売を行っている場合、「家具」や「インテリア」といったキーワードを入力してみましょう。
検索結果の確認
検索結果が表示されると、入力したキーワードに関連するサジェストキーワードが一覧で表示されます。CSVで出力することもできます。
たとえば、「家具」で検索した場合
有料版では、月間検索ボリュームや競合状況が一覧で表示されます。
これらの情報をもとに、自社の記事に適したキーワードを選びましょう。
関連キーワードの活用
検索結果には、入力したキーワードに関連するキーワードも表示されます。
たとえば、「家具」で検索した場合、「ソファ」「チェア」などが関連ワードとして出力されます。
これらの関連キーワードを活用することで、記事の内容をより具体的にし、検索エンジンでの評価を高めることができます。
キーワード選定のポイント
キーワードを選定する際には、以下のポイントに注意して選びましょう。
検索ボリュームが高いキーワード
多くの人が検索しているキーワードを選ぶことで、より多くのユーザーにアプローチできる可能性があります。ただし、競合も多いため、上位表示が難しいこともあります。
競合が少ないキーワード
競合性(0~100)が高いほど競争率が高くなりますので、競合が少ないキーワードを選ぶことで、上位表示が比較的容易になります。ただし、検索ボリュームが低い場合もあるため、バランスを見ながら選ぶことが大切です。
関連キーワードの組み合わせ
複数の関連キーワードを組み合わせることで、ユーザーが検索しやすい独自のキーワードを作成することができます。これにより、検索エンジンでの評価を高めることが期待できます。
キーワード選定後の活用方法
選定したキーワードをもとに、記事のタイトルや見出し、本文に自然に組み込むことが大切です。過度なキーワードの繰り返しは避けつつ、適切なバランスでキーワードを使用しましょう。
以上の手順を踏むことで、効果的なキーワード調査が行えます。
ChatGPTを使って効率的に記事構成を作成する方法
キーワード調査を行った後は、記事構成の作成が次のステップとなります。
それでは、ChatGPTを使った記事構成の作成方法を見ていきましょう。
ChatGPTの登録・ログイン
ChatGPTの公式サイトにアクセスし、アカウントを登録・ログインします。有料プランも用意されていますが、無料プランでも十分な機能を活用することができます。
プロンプトの設定
ログイン後、画面上に表示されるテキストボックスに、記事のテーマや選定したキーワードを含むプロンプト(指示文)を入力します。
たとえば、以下のような簡易なプロンプトを入力します。
——–
家具の選び方についての記事構成を提案してください
——–
さらに細かな条件を指定したい場合には、以下のようなプロンプトが便利です。
また、「以下のキーワードを使ってください」に、上記で厳選したキーワードを載せます。
——–
#命令書:
以下の制約条件と入力文字をもとに文章を出力してください。
#制約条件:
・記事のテーマ:家具の選び方
・ターゲット顧客:結婚し、子供が生まれ、そろそろ引っ越しを考えている夫婦
・ターゲット顧客のニーズ: 結婚前から使っていた家具を整理して、子育てを見据えた新たな家具を揃えたい。その際、古い家具は下取りしてもらいたい。
・内容のトーン:ですます調。上から目線ではなく語り掛けるようなトーン
・内容の難易度:家具に詳しくない人でも興味を持ってもらえそうな内容
・以下のキーワードを使ってください
キーワード1
キーワード2
キーワード3
#入力文:
記事のタイトル、構成案を考えてください。
——–
生成された文章の確認
プロンプトを入力し、「送信」ボタンを押すと、ChatGPTが生成した記事のタイトルと構成が表示されます。
再生成
AIからの回答がイマイチな場合は、「Regenerate response」を押すことで、何度でも回答を出してくれます。
ひとつのプロンプトに対して、何度も回答を出してもらうと、「**/**」と表示されます。
左右の矢印を押すことで、すべての回答を見返すことができます。
※回答を何度もらってもイマイチな場合には、プロンプトの内容を見直してみてください
記事構成のブラッシュアップ
生成された文章をもとに、記事の構成を編集・ブラッシュアップしていきます。必要に応じて、見出しや項目を追加・削除し、最適な記事構成に仕上げましょう。
記事構成の活用
ブラッシュアップされた記事構成をもとに、本文の執筆を行います。ChatGPTが生成した文章をそのまま使うこともできますが、適宜、自分自身の言葉で書き換えたり、情報を追加したりすることで、より質の高い記事が完成します。
記事の最終チェック
最後に、人間が行う文章の見直し・検証・修正が重要です。ChatGPTで生成された文章も、必ず確認し、内容の正確性や自然さを担保することが大切です。また、ターゲット顧客のニーズに合わせて、適切なトーンや難易度で書かれていることも確認しましょう。
納品・公開
記事の構成が完成し、本文の執筆・見直しが終わったら、適切なタイミングで記事を公開します。継続的にコンテンツを更新することで、検索エンジンからの評価を高めることも期待できます。
半自動化のメリットと注意点
ChatGPTを活用した半自動化によるSEOライティングのメリットと注意点について説明いたします。
メリット
時間の節約
ChatGPTを活用することで、記事構成の作成やアイデア出しの時間を大幅に削減できます。これにより、本文の執筆に集中することができ、効率的に記事制作が行えます。
人的リソースの削減
専門的なライターを確保できなくても、自社でコンテンツ制作ができるため、人件費や外注費を削減することができます。また、コンテンツ制作のリードタイムも短縮できます。
品質の向上
ChatGPTが提案する文章は、一般的に自然で読みやすいものです。これをもとに、ブラッシュアップを行うことで、質の高い記事が作成できます。
継続的なコンテンツ制作
半自動化のプロセスを活用することで、継続的にコンテンツを制作・更新することが容易になります。これにより、検索エンジンからの評価を高めることが期待できます。
注意点
正確性等の確認
AIによる文章生成では、誤った情報や不適切な表現が含まれることがあります。必ず人間が最終チェックを行い、正確性や適切性、模倣性、反復性などを確認することが重要です。
オリジナリティの維持
AIが生成した文章をそのまま使用すると、他の類似記事との差別化が難しくなることがあります。適宜、独自の情報や視点を加えることで、オリジナリティのある記事に仕上げましょう。
ターゲット顧客へのアプローチ
AIが生成する文章は一般的であるため、特定のターゲット顧客に対するアプローチが不十分な場合があります。文章のトーンや難易度を適切に調整し、ターゲット顧客に合わせた内容に仕上げることが大切です。
倫理的配慮
AIによる文章生成では、データに基づいて文章が生成されるため、不適切な表現や差別的な内容が含まれる可能性があります。人間が最終的なチェックを行い、倫理的な観点からも適切な記事であることを確認することが重要です。
まとめ
この記事では、中小企業が自社のホームページで効果的なSEO対策を行った記事を効率よく執筆・公開する方法として、ラッコキーワードとChatGPTを活用した半自動化のプロセスについて解説しました。半自動化のプロセスを上手く活用し、人間が行うべき最終チェックを欠かさずに行うことで、中小企業においても効果的なSEOライティングに取り組むことができるでしょう。今回の記事を参考に、質の高いコンテンツ制作に励み、ビジネスの成長に繋げてください。
執筆者:中小企業診断士 居戸 和由貴