【中小企業向け】ChatGPTのプラグイン(Plugins)とは?導入方法と使い方を解説

中小企業では、生成AI(ChatGPTなど)を用いた自社の生産性向上、イノベーション推進、競争力強化の取り組みが加速しています。

東京商工会議所では、『中小企業のための「生成AI」活用入門ガイド』が公開されるなど、生成AIの普及に向けた環境整備も進められています。(出典:2023年7月28日)

中でもChatGPTは、2023年5月にリリースされた「プラグイン(Plugins)」機能を導入することで、外部から情報を取得したり、既存の作成物を改善することが可能になりました。

そこで本記事は、中小企業の業務に役立つChatGPTのプラグインを紹介します。

目次

ChatGPTのプラグインとは、OpenAIが開発したChatGPTの機能を拡張するための追加ツールです。

ChatGPTの有償版(ChatGPT Plus)にアップグレードすることで、さまざまなプラグインを使用できます。

2023年11月8日現在で1000以上のプラグインがあり、ユーザーはChatGPTを自分好みにアレンジすることが可能です。

ChatGPTにプラグインを導入することで、機能を大幅にパワーアップできるメリットがあります。たとえば、

・Web検索を効率化する
・Webページの情報を取得する
・動画から情報を取得する
・PDFを要約する
・SEO対策を行う
・プロンプトを改善する

などを行うことが可能です。

また、プラグインを最大3個まで同時に使用することもできます。プラグインの組み合わせにより、さらなる利便性の向上が期待されます。

ChatGPTでプラグインを使用するための事前準備を説明します。

まず、以下の画像をご覧ください。

自分の名前の右横にある「・・・」をクリックします。

次に、「Settings & Bate」をクリックします。

「Beta features」を選択し、「Plugins」をONにします。

GPT-4から「No pluguins enabled」を選択し、「Plugin store」をクリックします。

「Search plugins」の検索窓から、関連ワードを入力し、プラグインを検索します。それぞれの「Install」をクリックすることで実装されます。

これで、プラグインの導入は完了です。

中小企業では、人手(=後継者)不足、働き方改革、資金繰り、生産性向上といった課題を抱えています。そのため、業務を効率的に行う情報管理や、集客対策、ツール活用時の工夫などが必要です。

そのために利用できるプラグインとして、以下のものが挙げられます。

・Web検索を効率化する → LIFULL HOME’S、Now
・Webページの情報を取得する →WebPilot、Scraper
・動画から情報を取得する →Video Insights
・PDFを要約する →Ask YourPDF、ChatWithPDF
・SEO対策を行う →SEO CORE AI、SEO.app
・プロンプトを改善する →Prompt Perfect

今回はこの中から、PDF要約、SEO対策、プロンプト改善の3つに絞り、対応するプラグインを紹介します。

Ask YourPDF

中小企業の業務において、Web上のPDF情報を要約する場面があるかと思います。そんなとき、PDFから効率的に情報を抽出できるプラグインが「Ask YourPDF」です。

今回は、経済産業省「2023年版 中小企業白書・小規模企業白書 概要」(サイト)を要約してみます。

プラグインを使用するとき、まずは以下画像のように、「GPT-4」→「Plugins」を選択します。

Pluginsにチェックを付けた後、以下画像のように、使用したいプラグイン(今回はAsk YourPDF)を選びます。

これで事前準備はOKです。

続いて、以下のプロンプトを入力します。

以下リンクの内容を500文字で要約して下さい。
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2023/PDF/2023gaiyou.pdf

これに対し、次のような回答が出力されました。

今回の回答は、元情報の序盤に「概要」が示されていたため、その箇所を中心とした要約文章が出力されました。

要約の精度はおおまか正しいものの、必ずしも意図した回答が得られるとは限らないため、元情報と照らし合わせてファクトチェックを行うことが必要です。

SEO CORE AI

低コストで集客可能なSEO(=検索エンジン最適化)対策は、資金・運用リソースに悩む中小企業にとって大切な施策です。

「SEO CORE AI」は、指定したリンク先について、SEOのパフォーマンス評価や改善案の提供を行うことができます。

SEO対策には、すでに数多くの一般的なツールが存在します。一方、同プラグインは、ツールを操作するための知識を必要とせず、ChatGPT内で手軽にSEO分析の補助を行えることが魅力です。

まずは、SEO CORE AIを導入・選択した状態で、以下のプロンプトを入力します。

以下リンク先のサイトについて、SEOの評価と改善策の提案を行ってください。
キーワードは「中小企業」「ChatGPT」です。
https://hashtag-jp.com/technology/chatgpt_efficient/

これに対し、ChatGPTから以下の回答が得られました。

このように、既存のサイトを読み取り、SEO評価と改善策、注意点を回答してくれました。

得られた回答は、自社サイトのSEOを改善するため、情報収集の参考として使用することが期待できます。

Prompt Perfect

ChatGPTは、入力する「プロンプト」の内容で、回答の質が変化します。しかし、良質なプロンプトを見つけ、自分のケースで応用することは非常に時間のかかる作業です。

Prompt Perfectは、プロンプトの後に「perfect」と入力するだけで、回答の質を向上させることができます。

まずは、プラグイン一覧よりPrompt Perfectを選択した状態で、以下のプロンプトを入力してみます。

中小企業が抱える課題とは?
日本語で教えてください。

このプロンプトに対し、ChatGPTから以下の回答が出力されました。

次に、プロンプトの末尾に「perfect」を追加して、Prompt Perfectの機能を使用してみます。実際に入力したプロンプトは以下のような文章です。

中小企業が抱える課題とは?
日本語で教えてください。
perfect

このプロンプトに対し、ChatGPTから以下の回答が得られました。

この回答は、最初に入力した、

「中小企業が抱える課題とは?日本語で教えてください。」

というプロンプトが、Prompt Perfectの機能により、

「中小企業が通常直面する様々な障害、困難、ハードルについて詳細な分析を提供してください。中小企業が直面する課題について、財政的制約、限られたリソース、競争、規制の負担、市場へのアクセス、技術進歩など、幅広い要因を網羅して、包括的かつ詳細な説明を行ってください。また、中小企業の成長と成功を妨げる可能性のあるその他の重要な問題についても触れてください。」

という内容に変換されたものです。

これを再度プロンプトとしてChatGPTに入力すると、以下のような回答が得られました。

このように、Prompt Perfectを使用したことで、質問に対し、より詳しい回答を得ることができました。

プロンプトの質を簡易的に高めるには、こういったプラグインを利用することもオススメです。

関連:中小企業経営者が知るべきプロンプト・エンジニアリングの技術と事例

今回は、中小企業に役立つChatGPTのプラグインを紹介しました。

「Ask YourPDF」はPDFを速やかに要約、「SEO CORE AI」でSEO対策を強化し、「Prompt Perfect」でAIの回答品質を向上できます。

他にも1000個以上のプラグインがありますので、いろんな機能を試してみてください。

ハッシュタグでは、中小企業向けのChatGPT導入サポートも行っております。

無料でのご相談・お見積もりを承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

執筆者:生成AIライター 那須 太陽、監修者:Harmonic Society株式会社 代表取締役兼CEO 師田 賢人、中小企業診断士:居戸 和由貴

監修者

師田賢人

【Harmonic Society株式会社 CEO】

外資系コンサル、Webエンジニア、Webライター、フォトグラファーを経て、2023年にHarmonic Society株式会社を設立。
企業の経営の悩みを言葉で解決している。一橋大学商学部卒。

監修者
ハッシュタグ居戸和由貴
ハッシュタグ居戸和由貴

居戸 和由貴

【中小企業診断士】

生命保険会社、人材会社、戦略コンサルタント会社での経験を経て、2021年に中小企業診断士として独立。強みであるマーケティングとテクノロジーを軸に、中小企業の売上拡大を目的として活動

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この記事を書いた人

【生成AIライター】
鉄道会社での勤務を経て、2022年8月からWebライターとして活動中。ChatGPTなどの生成AIを研究し、人間とAIのタッグでより良い文章作成を行います。

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