多くの話題を生んでいる「ChatGPT」。最近では、ビジネスへの活用にも注目されています。しかし、興味はあるものの、実際どのように活用した方が良いか分からない企業の方も多くいます。
とはいえ、中小企業が成長を遂げるためには、効率的で生産的な業務運営が不可欠です。この記事では、AI技術であるChatGPTを活用した、中小企業がビジネスを最大化させる方法を解説します。
ChatGPTとは
ChatGPTは、2022年11月にアメリカのOpenAI社がリリースした、最新のAI技術であるジェネレーティブ・プリトレーニド・トランスフォーマー(Generative Pre-trained Transformer, GPT)を利用したチャットボットです。このAIは自然な文章を生成し、特定の課題や質問に対して、自然な会話の形で対応することができます。
Microsoft社の共同創業者ビル・ゲイツ氏は、 「ChatGPTは現時点で最重要なイノベーションである」と述べており、実際にMicrosoft社はOpenAIとの長期的なパートナーシップを発表しました。
ChatGPTは、たとえば以下のような用途があります。
1. 文章の生成
2. 文章の翻訳
3. プログラムコードの生成
4. 文章の要約
これらの用途を応用することで、ビジネス活用が可能となります。
ChatGPTの使い方
ChatGPTの利用を始める方法はとても簡単です。
まずChatGPTのURL(https://openai.com/blog/chatgpt )にアクセスしましょう。Gmailのアカウントなどでログインが可能です。
ログインが完了したら、画面下部のテキストボックスに質問を投げかけるだけで、文章を自動生成してくれます。
以下は「より良い文章を書くにはどうしたら良いでしょうか?」と質問した場合の例です。
ChatGPTの費用
ChatGPTは、GPT-3.5というAIのバージョンの場合、基本無料で利用できます。有料版に切り替えると、最新バージョンであるGPT-4を利用可能になります。
GPT-4は、GPT-3.5の英語よりもGPT-4の日本語のほうが精度が高い(GPT-3.5の英語の精度70.1%に対して、GPT-4の日本語の精度79.9%)という結果が出ており、より高精度を求める場合は、有料版に切り替えた方が良いでしょう。
引用: https://openai.com/research/gpt-4
GPT-4を利用するためには課金が必要です。月額20ドルのサブスクリプション「ChatGPT Plus」というプランがあり、ChatGPT Plusを利用することで、GPT-4の利用が可能になります。
ChatGPTをビジネス活用するメリットと活用方法
上記のように、ChatGPTに知りたいことを質問すると、それに対する的確な回答や提案を得られます。ただの検索ツールとして利用するのも良いですが、ChatGPTはビジネス活用にも適しています。
上手く活用をすれば、自社の業務が効率化され、事業の成長が促されるでしょう。
以下で、目的別に具体的な活用方法をご紹介します。
1.顧客対応の改善
顧客サポート業務を効率化し、顧客満足度を向上させるために、ChatGPTを活用することができます。
例えば、FAQの生成が可能です。
「ChatGPTの利用者向けFAQを5つ作成してください。」と質問(プロンプト)すると以下のような結果が返ってきます。自社の製品・サービスに合うような指示を出し、試してみましょう。
また、有料版ChatGPT Plusを利用すれば、参考URLを元に、ChatGPTがFAQを提案してくれます。より、自社にローカライズされたFAQの生成が可能です。
更に、自社のサイトに導入可能な、ChatGPTを活用したカスタマーサポートに特化したAIチャットボットも各社からリリースされています。自社の予算などと照らし合わせながら、上手く活用してみてください。
2.マーケティングの支援
自社のマーケティング支援にもChatGPTは活用ができます。
自社でコンテンツマーケティングを進めたい場合、ライティングスキルなど専門的な知識などを必要としますが、ChatGPTがその役を担ってくれます。
例えば、あるターゲット層に向けた記事コンテンツを制作をする際、ターゲット層のペルソナや構成案のアイデア出しができます。
ペルソナの解像度を上げたい場合は、
『「SEO AIライティング コツ」をキーワードで検索する人は、どんな検索意図がありそうですか?』などとプロンプトを与えると下記のような答えが返ってきます。
また、構成案のアイデアが欲しい場合は、
『SEOライティングを学びたい方向けに、「SEO ライティング コツ」をキーワードとしたSEO記事の構成案を考えてください。』などとプロンプトを与えると、下記のような答えが返ってきます。
SEOに強いAIライティングツール「Transcope 」もおすすめです。
例えば、SEO対策したいキーワードを入力するだけで、SEOに特化した文章を自動で生成が可能です。
画像内のSTEP1で、対策キーワードを入力、AIに分析させることで、競合サイトの記事を参考にしながら、検索エンジンに最適なタイトルや見出しを生成ができます。
STEP2では、提案されたタイトルや見出しを参考にしながら、文章の雰囲気や見出しレベル、各見出しごとの文字数を設定ができます。
最後に「保存」をすれば、分析・設定した情報を基にAIが文章を生成します。
他にも、競合分析やキーワードのボリューム調査など、文章生成以外にもSEO対策に有効な機能が搭載されています。本ツールを使えば、担当者は一気通貫でSEO対策ができ、生産性の向上やリソースの削減を実現することができます。
3.組織内の情報共有
組織内の情報共有は、企業の業務効率向上やビジネス成長に必要不可欠な要素です。特に中小企業では、社員同士の緊密な連携が重要であり、迅速かつ分かりやすい情報共有が求められます。
この課題にも、ChatGPTなどのAIを活用できます。
例えば、社内でMTGを実施した際の議事録や、要約したいテキストをChatGPTに渡すと、分かりやすくまとめてくれます。
実際に、ChatGPTを運営するOpenAI社の利用規約を要約してみました。
プロンプトは、「下記に記載するOpenAIの利用規約を日本語訳したうえで、箇条書きで要約してください。”(該当テキスト)”」です。
ただし、ChatGPTに与える情報の扱いに十分注意しましょう。
自社情報の漏洩の可能性や他社コンテンツの著作権侵害に当たります。
ChatGPTの著作権問題は、こちらで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
4.情報分析と意思決定の支援
ChatGPTは分析にも活用できます。
例えば、自社商品・サービスへのユーザーからのレビューを分析させて、示唆を得ることが可能です。
下記画像では、「以下の低レビューから商品の改善点を教えてください。“(具体的なレビュー内容)” 」というプロンプトを与えています。
ChatGPTを活用し、過去のデータや市場動向を分析することで、ターゲット層への今後のアクションへのアプローチ方や戦略立案へのヒントを見つけられます。
まずは業務のサポートをChatGPTにしてもらおう
特にChatGPTやAI技術の活用により、情報取得の手間が省けたり、より正確で分かりやすい情報共有が可能になったり、アイデア出しの効率があがるなど、様々な業務効率化が期待できます。
とはいえ、情報の扱い方や、ChatGPTから得た情報への過信には注意が必要です。得た情報は人の目で精査をした上で活用することが大切です。
今後も、企業はChatGPTなどの技術を取り入れることで、業務の質向上を促進していくべきでしょう。
執筆者:シェアモル株式会社 代表取締役 齋藤 康輔、監修者:中小企業診断士 居戸 和由貴
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執筆者プロフィール
齋藤 康輔氏
シェアモル株式会社 代表取締役
シェアモル株式会社 代表取締役。大学卒業後の2007年3月に上記システム「マッチングッド」を販売する会社、マッチングッド株式会社を設立。 12年の経営の後、2019年1月に東証プライム上場企業の株式会社じげんに株式譲渡。2019年9月ソーシャルコマースサービス「シェアモル」を運営するシェアモル株式会社を設立。2022年12月、シェアモル店舗からのご要望をうけて、SEOに強いAIライティングツール「Transcope(トランスコープ)」をリリース。
居戸 和由貴
【中小企業診断士】
生命保険会社、人材会社、戦略コンサルタント会社での経験を経て、2021年に中小企業診断士として独立。強みであるマーケティングとテクノロジーを軸に、中小企業の売上拡大を目的として活動