中小企業の人材不足に打つ手!ChatGPTで業務負荷を軽減し効率を高める方法

日本では、中小企業の人手不足が深刻化しています。

2023年の日本政策金融公庫の調査によると、中小企業経営者の44.9%は「人材不足が経営の大きな悩み」と感じていることが示されました。これは、2020年と比較して、約2倍の数値です。

中小企業で働く人材が減ると、1人あたりの労働量が増加し、社内は慢性的なリソース不足に陥ります。その解決策として注目されているのが、生成系AIの1つ「ChatGPT」です。

ChatGPTが中小企業の業務負荷をどのように軽減し、仕事の効率を高めるのかみていきましょう。

目次

ChatGPTの活用で業務負荷を軽減する実践例

中小企業の業務効率化にChatGPTが活用できる場面は、たとえば、以下のようなシーンが考えられます。

・カスタマーサポートの自動化
・内部の情報検索とナレッジベースの構築
・新入社員の自己研鑽サポート
・マーケティングとセールス文章作成
・アイデア出し(ブレインストーミング)
・よくある質問(FAQ)の生成
・社内コミュニケーションの効率化

その中でも、ChatGPTを用いた「アイデア出し」と「FAQの生成」について具体的に解説します。

ChatGPTがアイデア出し(ブレインストーミング)の業務負荷を軽減

ブレインストーミングとは、アイデア発想法の1つです。中小企業でよく用いられる手法ですが、リソースを大きく消費してしまいます。

この問題にChatGPTを活用することで、アイデア出しの業務負荷を軽減できます。

具体例として、以下の場面を想定し、CharGPTに解決策を投げかけてみます。

<想定場面>

業界:全業界
シーン:ブレインストーミングにより新商品のPR企画を考える場面
問題・課題:新商品のPR企画を考案する際のアイデア出しに時間がかかる

プロンプト:

上記のプロンプトに対し、ChatGPTから以下の回答(図1)が出力されました。

#命令書:

あなたは中小企業の社員として働く従業員です。
自社の製品やサービスに対する「アイデア出し」を得意としています。
以下の制約条件と入力文に従い、アイデア出しを行ってください。

#制約条件:

・文章は現実的なトーンで生成して下さい。
・丁寧な言葉遣いを意識して下さい。

#入力文:

・あなたはこれから、私が設定したテーマに対するブレインストーミング(アイデア出し)を行います。
・テーマは「新製品のPR企画」です。
・新製品は、生活に便利な家電製品を想定しています。
・新製品のターゲットは「地方に住む30-60歳の一般消費者」です。
・PRの主な目的は、新製品の特長とメリットを広く知らせ、特に「地方でのアフターサービスの質」を強調し、購買意欲を高めることです。
・新製品のPRで特に考えるべき問題は、地方でのアフターサービスの質が不足しているため、その具体的な解消方法を提案し、ターゲットへ拡散するアイデアを出すことです。
・たくさんのアイデアを具体的に出力して下さい。
・アイデアは実現可能で具体性のある内容を出力して下さい。
・アイデアは最低3個出力して下さい。
・出力したトピックについて、それぞれ150文字で説明を加えて下さい。
・架空の商品名、技術、地名、言葉、人名、団体名は使用しないで下さい。

#出力文:

図1:ChatGPTから出力されたアイデア

CharGPTの回答のアイデア部分をまとめると、
1. 地方限定の「無料訪問メンテナンスキャンペーン」
2. オンライン製品説明&トラブルシューティングセミナー
3. 地方小売店との「即日修理サービス」連携

の3つが出力され、それぞれの回答には、
・アイデアに対し何をすべきか
・どんな行動や立ち回りを行うべきか
・どんな効果をもたらすか

といった回答が具体的に出力されており、アイデア出しの言語化を後押ししています。

ChatGPTで「よくある質問(FAQ)」のリストアップを効率化

中小企業が自社のホームページに「よくある質問(FAQ)」を掲載することは、自社とお客様の双方にメリットをもたらします。

たとえば、お客様は企業サイトのFAQを閲覧することで、知りたい情報をスムーズに得ることができ、ストレスを感じにくくなります。これはお客様の満足度向上につながります。

企業側から見ても、FAQは問い合わせを減らしコストを節約できます。しかしFAQ作成は大変なので、ChatGPTで効率化してみましょう。

ChatGPT Plusでプラグインの「WebPilot」を準備

現行のChatGPTではURLのリンク先を読み込むことはできないので、「WebPilot」というプラグインを活用していきます。

WebPilotとは、指定したURL先のページ情報を取得するプラグインです。主にページ情報の抽出、再構成、要約に活用できます。

※プラグイン「WebPilot」を使用する際は、ChatGPT PLUSに有料登録が必要です。

簡単な導入手順を以下に記します。

①左下の「・・・」からメニュー画面を開く⇒「Settings&Beta」をクリック

②「Beta features」をクリック⇒「Plugins」右横のボタンをONにする

③GPT-4を選択⇒「No plugins enabled」を選択

④「Plugin store」をクリック

⑤「Search plugins」に「WebPilot」と入力⇒WebPilotの項目から「Install」をクリック

⑥GPT-4の画面で、上部にWebPilotのロゴが出てくればOK

これで、WebPilotを使う下準備は完成です。

ChatGPTのプラグイン「WebPilot」 を活用しFAQを作成

ChatGPTに実際のサイトページを参照させ、FAQを効率的に作成していきます。

今回使用するサイトページは、当サイトの以下リンク先を用います。

「ハッシュタグ サービス紹介」

上記リンク先のサービス内容について、よくある質問を作成していきます。

まずは、以下のプロンプトをChatGPTに入力します。

※#入力文にある「赤文字」部分の内容を変えることで、他のサイトにも活用できます。

このプロンプトに対し回答された出力結果が、以下の図2になります。

#命令書:

あなたは、与えられたリンク情報の参照を得意としています。

以下の制約条件と入力文から、最高の「よくあるご質問(FAQ)」を出力して下さい。

#制約条件:

・文章は現実的なトーンで生成して下さい。
・丁寧な言葉遣いを意識して下さい。
・表を活用して下さい。

#入力文:

以下のURLのページから、「中小企業診断士事務所 ハッシュタグ」のサービス内容を参照してください。

https://hashtag-jp.com/service/#payment

このリンク先にある情報から、読者が閲覧する「よくあるご質問(FAQ)」を、表形式で10個制作して下さい。

#出力文:

図2:ChatGPTから回答されたFAQ

図2では、「よくある質問」を作成する際のたたき台が10個出力されました。指定した通り表として出力され、左側に想定される質問、右側にその回答が示されています。

この回答を参考にして、人間がFAQの作成ヒントとして使用することで、サイトに適した内容が掲載できます。

作成したFAQは、

・Webサイトやソーシャルメディア、ブログ上に使用する
・自社チャットボットのデータベースに用いる
・営業の提案資料、パンフレットに記す

などに活用できます。

まとめ

ChatGPTは中小企業の人材不足という大きな課題の解決をサポートし、日々の業務を後押しする力強いパートナーになるでしょう。

中小企業の経営者が知っておきたいChatGPTの活用方法は、他記事でもご紹介しておりますので、どうぞご覧ください。

関連:ChatGPTで業務効率化!中小企業経営者が知るべき3つの活用法

ChatGPTの回答はあくまで参考情報であり、専門家の意見を聞くことも大切です。AIと人間が共に働き、それぞれの強みを活かすことで、将来にわたり良い社会を築くことが期待されています。

ハッシュタグでは、中小企業の中長期的な売上拡大を最重視しています。

豊富なマーケティング経験やデジタル活用の実践経験を活かし、最適なマーケティングプランの実現を目指します。

無料でのご相談・お見積もりを承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

執筆者:那須 太陽、監修者:Harmonic Society株式会社 代表取締役兼CEO 師田 賢人、中小企業診断士:居戸 和由貴

監修者

師田賢人

【Harmonic Society株式会社 CEO】

外資系コンサル、Webエンジニア、Webライター、フォトグラファーを経て、2023年にHarmonic Society株式会社を設立。
企業の経営の悩みを言葉で解決している。一橋大学商学部卒。

監修者
ハッシュタグ居戸和由貴
ハッシュタグ居戸和由貴

居戸 和由貴

【中小企業診断士】

生命保険会社、人材会社、戦略コンサルタント会社での経験を経て、2021年に中小企業診断士として独立。強みであるマーケティングとテクノロジーを軸に、中小企業の売上拡大を目的として活動

よかったらシェアお願いします!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

【生成AIライター】
鉄道会社での勤務を経て、2022年8月からWebライターとして活動中。ChatGPTなどの生成AIを研究し、人間とAIのタッグでより良い文章作成を行います。

目次